Pocket Drugs (ポケット・ドラッグス) 2017

ドラッグストア部門の薬剤師ですが、場所柄か一般用医薬品だけでなく処方薬や処方薬との飲み合わせに関する質問を受けることがあるので参考にするために本書を購入しました。「治療薬ハンドブック」と本書で最後まで悩みましたが、こちらを購入して結果的に良かったと感じています。そう感じた理由としましては以下の点が挙げられます。まず、本書は全てのフォントがゴシック体表記となっており、フォントの太さやカラー、文字の間隔等でページ全体がデザインされています。同類他書はゴシック体と明朝体が混在しており、それこそが見難い一因となっているように思いました。次に、本書はカラー刷りであり、項目が見易いのは勿論のこと、代表的な医薬品に関しては写真付きで紹介している点です。患者さんは「あの赤い錠剤が…」とか「ピンクの容器の…」とか具体的な薬の名前ではなく抽象的な表現で服用中の薬を伝えてくることが多いのですが、そこで、薬の同定とまではいかなくとも本書の写真がかなり参考になります。最後に、各薬剤に関して情報が厳選されている点です。悪く言えば情報が少ないとも取れますが、ポケットに入る医薬品集というコンセプトからすると本書は「各薬剤についてIFのレベルまで徹底的に調べる」といった用途ではなく「ちょっとした確認」といった用途向けに作られていると思いますので、問題ありません。とはいえ各薬剤の選択に関するエビデンスや使用上の注意など必要十分な情報は網羅されていますので、現場ではほとんどの場合本書程度の内容で十分ではないでしょうか。以上が本書を選択した主な理由です。ちなみに書物サイズは白衣のポケットにジャストフィットで、そこまで重量も感じません。そのコンパクトさも本書の大きな魅力であることは間違いないと思います。