昭和史発掘 (1) (文春文庫)
によって 松本 清張
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受賞歴 第1回（1967年） 吉川英治文学賞受賞 内容紹介 独自の取材と視点とで現代史に新たな照明を当てた大シリーズ。第一巻は「陸軍機密費問題」「石田検事の怪死」「朴烈大逆事件」。第二巻は「芥川龍之介の死」などの三篇
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本文庫の５つの事件うちの朴烈大逆事件を読む。およそ７０頁である。１９２３年（大正１２年）９月１日関東大震災、９月３日に朴烈、金子文子「保護検束」される。その後、１９２６年（大正１５年）３月死刑判決である。当時は予審(旧刑事訴訟法）であった。予審とは「事件を公判に付するに足りる嫌疑があるかどうかを裁判官が決定する公判前の手続。濫訴などから被告人の利益を守る制度だが、非公開の法廷で、弁護人の立会もない状況で行われるのが一般的である。そのため、糾問的な性格が強く、公判前に裁判の結果が固まる傾向がある。予審判事の被告人取り調べが中心となり、事実上、証拠保全として利用されるなどの弊害が目立った」理想の予審と当時の現実の予審は背離した、全くの別物といえるだろう。この事件は公判中心（現行刑事訴訟法）であったなら、結果（判決）は違ってきただろう。
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